カプセルトイ(ガチャガチャ)の市場規模の推移と今後の見通し

カプセルトイの市場規模の推移と今後の見通し

カプセルトイ(ガチャガチャ)の市場規模は2025年度に約1,960億円で、2022年度の約720億円から4年で約2.7倍に拡大しました。

一方で専門店は全国900店舗以上に増え、首都圏では飽和も指摘されています。日本カプセルトイ協会の調査をもとに、市場規模の推移と伸びた理由、今後の見通し、参入を考えるときの判断のポイントを整理しました。

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事業売買プラットフォーム「ラッコM&A」の運営を担当しています。ラッコM&Aは2020年にサービスを開始し、これまでの累計成約数は7,000件以上です。Webサイトに加えて店舗などの事業・会社の売買にも取扱いを広げるなかで、事業を始める前に確かめておくべき点を見てきました。記事では、市場の伸びだけでなく、競争の激しさや撤退の動きもあわせて書いています。

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カプセルトイの市場規模は約1,960億円

カプセルトイの市場規模は約1,960億円であることを示す見出し画像

カプセルトイの市場規模は、日本カプセルトイ協会の調査で2025年度に約1,960億円となり、前年度の約1,410億円から39.0%増えて過去最高を更新しました。

この数字は、協会がカプセルトイを製造するメーカー41社に聞き取りをして、回答のあったメーカーの希望小売価格の合計とその他の販売状況などを考慮して算出した「製造元の出荷ベース」の市場規模です。店頭で実際に売れた金額を合計したものではない点に注意してください。

項目2025年度の調査の中身
市場規模約1,960億円(前年度比39.0%増)
算出の方法メーカー41社への聞き取り。希望小売価格の合計と販売状況などから算出
対象外のものイベントでの物販や企業オリジナル商品など。含めると2,000億円を超えるとみられる
販売された数の目安年間約5億5千万個(日本人1人あたり年間4〜5個に相当)

参考:日本カプセルトイ協会「2025年度カプセルトイ市場動向調査結果報告」

協会は、平均の商品単価で市場規模を割ると年間約5億5千万個が売れた計算になり、カプセルトイが一時的なブームではなく日常的に買われるものになったと分析しています。

カプセルトイの市場規模の推移

カプセルトイの市場規模の推移を示す見出し画像

カプセルトイの市場規模は、協会が調査を始めた2022年度から4年続けて伸びており、毎年2割以上のペースで拡大しています。

カプセルトイの市場規模(製造元出荷ベース)の棒グラフ。約720億円、約1,150億円、約1,410億円、約1,960億円と拡大
年度市場規模前年度比
2022年度約720億円—
2023年度約1,150億円159.7%
2024年度約1,410億円122.6%
2025年度約1,960億円139.0%

参考:日本カプセルトイ協会「2022年度」「2023年度」「2024年度」「2025年度」カプセルトイ市場動向調査結果報告

伸び方には波があります。2023年度は約1.6倍と大きく伸びた一方、2024年度は伸び率がやや鈍り、2025年度は再び約1.4倍に加速しました。

推移を読むときの注意点

推移を見るときは、調査に回答したメーカーの数が2022年度の30社から2025年度の41社まで増えている点に注意が必要です。伸びの一部は、調査の範囲が広がったことによる可能性があります。

また、出荷ベースの数字はそのまま店頭での売上ではありません。協会は2023年度の調査で、台の中やベンダーの倉庫に在庫として残っている商品が1割ほどあるとみられ、販売ベースでは1,000億円ほどではないかとしています。市場規模の数字は、業界全体の勢いをつかむ目安として使うのが適切です。

カプセルトイ市場が伸びた理由

カプセルトイ市場が伸びた理由を示す見出し画像

カプセルトイ市場が伸びた主な理由は、専門店の急増で買える場所が増えたことと、大人が自分のために買う商品になったことです。

カプセルトイ市場が伸びた4つの理由の図解。専門店の増加、大人向けの商品とSNS、単価と種類の増加、海外からの観光客

専門店が増えて買える場所が広がった

協会によると、コロナ禍で大型商業施設に空き区画が増え、カプセルトイを扱う事業者への出店の依頼が増えたことが、専門店が広がるきっかけになりました。専門店はこの数年で全国900店舗以上まで増え、買い物のついでに立ち寄れる場所が一気に広がりました。店舗数の推移は後の「業界のしくみ」で紹介します。

大人向けの商品とSNSで買う人が広がった

子ども向けだった商品が大人向けに広がり、協会は現在のメインターゲットを20〜30代の女性としています。好きなキャラクターを応援する「推し活」のグッズや、企業とのコラボ商品も増えました。買った商品がSNSに投稿されて広まり、専門店も入荷情報をSNSで発信することで、通りがかりの衝動買いから、目当ての商品を買いに行く「目的買い」に変わったと協会は分析しています。

消費者側の調査でも、買ったことがある人は多くなっています。クロス・マーケティングが20〜69歳の1,100人に行った調査では、カプセルトイを買ったことがある人は52.7%で、主な購入場所は「スーパーやショッピングモール、百貨店」が76.6%でした。

参考:クロス・マーケティング「カプセルトイに関する調査」(2025年8月・全国の20〜69歳1,100人・インターネット調査)

商品の単価と種類が増えた

円安や材料費の上昇で商品の単価が上がり、1回あたりの売上も大きくなりました。2025年に発売された商品を価格別に見ると、300円が43.4%で最も多く、400円と500円を合わせると約半分を占めています。

カプセルトイの価格別の商品数の割合を示す棒グラフ。100円0.9%、200円7.6%、300円43.4%、400円31.9%、500円16.2%
1回の価格商品数の割合
100円0.9%
200円7.6%
300円43.4%
400円31.9%
500円16.2%

参考:日本カプセルトイ協会「2025年度カプセルトイ市場動向調査結果報告」(2025年1〜12月発売の7,357SKUが対象)

新しく発売される商品の数も増えています。協会の調査では、毎月の新商品は2022年度に400種類超、2023年度に約500種類、2024年度に約700種類と増えました。メーカーも約70社まで増えています。新しい商品が次々と並ぶことで、何度も足を運ぶ理由が生まれていると言えます。

海外からの観光客の需要

海外からの観光客にもカプセルトイは人気です。協会は2025年の調査で、人気の観光地の近くでは客の半数以上を海外からの観光客が占める店もあるとしています。海外でも人気のアニメ映画の公開も、売上を押し上げました。

これだけ伸びているなら、今から始めても儲かりそうですが…

市場全体の伸びと、一つひとつの店が儲かるかは別の話です。次の見出しで、競争や撤退の動きも見ておきましょう。

カプセルトイ業界のしくみ

カプセルトイ業界のしくみを示す見出し画像。メーカー・ベンダー・設置場所

カプセルトイの業界は、商品をつくるメーカー、台を確保して商品を流通させるベンダー、台を置く場所を提供する施設や専門店の3つの役割で成り立っています。

役割していること
メーカー商品を企画・製造し、1回の価格を決める。キャラクターの使用許諾を得て商品化することも多い
ベンダー(運営会社)台を確保し、メーカーから仕入れた商品を設置場所に流通させ、補充や集金を行う
設置場所・専門店商業施設や店舗が場所を提供し、売上の一部を受け取る。ベンダー自身が専門店を運営することもある

市場規模の数字は、このうちメーカーの出荷を合計したものです。協会によると、メーカーは約70社まで増えて参入しやすい一方、台を確保する必要があるベンダーは参入の壁が高くなっています。個人や小さな事業者が新しく入るとき、どの役割で入るのかによって、競争の激しさと必要な資金が大きく変わります。

専門店の数は、協会の調べで次のように増えてきました。

時点専門店の数(協会調べ)
2023年度1年間で200店舗以上が新たに開店
2024年度の調査時点全国で700店舗以上が営業
2026年1月末全国で900店舗以上(前年度から200店舗以上増加)

カプセルトイ市場の今後はどうなる?

カプセルトイ市場の今後を示す見出し画像

日本カプセルトイ協会は、2026年も市場規模は増えると見る一方、店どうしの競争が激しくなり、業界の再編や撤退も進むとみています。

協会の見通し・指摘中身
市場規模2026年もさらに増える見込み
出店の場所大型商業施設へのテナント出店が中心だったが、2025年から路面店が増え、今後さらに100店舗超の増加が期待される
首都圏の飽和2024年度の調査で、首都圏の主要都市周辺は飽和状態にあり、店舗間の競争が激しいと指摘
撤退の始まり2024年度の調査で、市場が拡大する一方で収益性の悪化による専門店の撤退も始まり、拡大期から成熟期への転換になると予想
業界の再編2025年にカプセルトイ関連企業のM&Aが複数件あり、ベンダーどうしの提携や再編が予想される

前述のとおりベンダーは参入の壁が高く、既存のベンダーどうしでシェアを争っています。市場は伸びていても、新しく入る人にとっては「売れる場所」と「人気商品」の取り合いが始まっていると見ておくべきです。

一方で、専門店がまだ少ない地方や、路面店のような新しい出店の形には伸びしろがあると協会は見ています。市場の移り変わりを、都市部の競争と地方の広がりの両面から捉えておきましょう。

カプセルトイ事業に参入するなら今か?判断のポイント

カプセルトイ事業に参入する判断のポイントを示す見出し画像

参入するかどうかは、市場全体の伸びではなく、自分が確保できる設置場所と仕入れで収益が出るかで判断するのが基本です。

市場規模が伸びていても、それは全国の専門店やベンダーを合わせた数字です。店が増えれば1店あたりの客は分散し、人気商品は大手に優先して流れやすくなります。参入の方法ごとに、次の点を確かめておきましょう。

参入の方法確かめておきたいこと
個人で台を置く人通りのある置き場所を確保できるか、補充に回る時間をとれるか
専門店を開く・フランチャイズに加盟する近くに競合の専門店がないか、人気商品の仕入れルートがあるか
稼働中の設置網や店舗を買う置き場所ごとの過去の売上、設置場所の契約を引き継げるか

事業としての収益の仕組みと「儲からない」と言われる理由はガチャガチャ経営の記事で、副業として個人で始める方法はガチャガチャ副業の記事で詳しく解説しています。

競争が激しくなった市場では、ゼロから売れる場所を探すより、すでに売上の実績がある設置網や店舗を引き継ぐほうが見通しを立てやすい場合もあります。協会の報告にもあるとおり、業界ではM&Aの動きも出てきています。

どんな事業がいくらで売りに出ているかを見ると、参入にかかる費用の目安がつかめます。

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カプセルトイの市場規模のよくある質問

Q. カプセルトイの市場規模の出典はどこですか?

A. 一般社団法人日本カプセルトイ協会が毎年公表している「カプセルトイ市場動向調査結果報告」です。

協会はカプセルトイのメーカーへの聞き取りをもとに、製造元の出荷ベースで市場規模を算出しています。報告は協会の公式サイトのお知らせ欄で公開されています。

Q. 今のガチャガチャブームは何回目ですか?

A. 日本カプセルトイ協会は、コロナ禍での市場拡大を「第5次ブーム」と定義しています。

協会は2022年度の調査報告で、コロナ前の海外観光客による人気を第4次ブーム、コロナ禍での市場規模の増加を第5次ブームと位置づけました。2025年度の報告では、ブームが一時的なものではなく、市場としてさらに成長していると分析しています。

Q. ガチャガチャブームはいつまで続きますか?

A. いつまで続くかの確かな予測はありませんが、協会は2026年も市場規模が増えると見込んでいます。

ただし協会自身も、首都圏の飽和や専門店の撤退の始まりを指摘しています。市場全体が伸び続けても、すべての店が伸びるとは限りません。

Q. カプセルトイとガチャガチャは違うものですか?

A. どちらも硬貨を入れてハンドルを回し、カプセル入りの商品を買う同じものを指す呼び方です。

日常的には「ガチャガチャ」「ガチャ」と呼ばれることが多く、業界団体や調査では「カプセルトイ」という呼び方が使われています。メーカーによって独自の呼び名をつけていることもあります。市場規模を調べるときは、どちらの呼び方でも同じ市場を指すと考えて問題ありません。

Q. 市場規模と実際の売上は同じですか?

A. 同じではありません。市場規模は製造元の出荷ベースで、店頭で売れた金額とは異なります。

協会は2023年度の調査で、台の中や倉庫に在庫として残る商品が1割ほどあり、販売ベースでは出荷ベースより少ないとみています。一方で、イベントでの物販などは調査の対象外のため、それらを含めた市場はさらに大きいとしています。

まとめ

カプセルトイの市場規模と今後のまとめ図。市場規模は約1,960億円で約2.7倍に拡大、伸びた理由、専門店は900店舗以上で競争も激しく、参入は置き場所と仕入れで判断、次の一歩は実際の取引価格を見て比べる

この記事のポイント
  • カプセルトイの市場規模は2025年度に約1,960億円で、2022年度の約720億円から4年で約2.7倍
  • 伸びた理由は専門店の急増、大人向けの商品とSNS、単価と新商品数の増加、海外からの観光客の需要
  • 専門店は900店舗以上に増え、首都圏の飽和や撤退の始まりも指摘されている
  • 参入するかは市場の伸びではなく、確保できる置き場所と仕入れで判断する

参入を考えるなら、実際の事業がいくらで取引されているかを見ておくと、自分で始める場合の費用と比べて判断しやすくなります。

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