今回はラッコM&Aでの事例紹介ではなく、当社、ラッコ株式会社がWEBサービスを購入した事例をご紹介します。
ラッコ株式会社では自社サービスに親和性のあるWEBサイトやWEBサービスに直接、購入のお声掛けをすることがあります。
そのような中、2020年8月にgoodkeywordと言う無料のキーワードリサーチツールを購入いたしました。
今回はその当時の状況について、売主・買主の両方にインタビューをしたお話を紹介いたします。
当社が買主として何を考えて購入を決断したのか、売主が考えていた売る際の条件とは?
サイト売買を進める中で、重要と感じたポイントを双方からエピソードを交えてお話しいただきました。
個人でWEBサービスを開発・運営されている方にも必見の内容です。
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目次
goodkeywordの売買交渉から譲渡までの時系列まとめ
同 移行作業開始(ドメイン移管、サーバー契約移行、Facebookページ移行、GA/SC権限移行)
きっかけはTwitterのDMから
ラッコM&A
売主:佐藤さん
個人としてインタビューを受けさせていただきました。
買主:ラッコ坂谷
私は代表取締役という立場で、経営、事業の企画、プロダクト開発におけるクオリティを担保する役割を担っています。
当社はラッコWEBサービスという括りでサイト売買、キーワードリサーチツール、中古ドメインの販売などの様々なWEBサービスの展開をしております。
ラッコM&A
買主:ラッコ坂谷
それまで接点はありませんでした。
ラッコM&A
売主:佐藤さん
その当時から存在はずっと存じ上げていまして、すごい使いやすいツールを提供されていらっしゃる方がいるんだなあとずっと思っていました。
その中で、ご連絡いただいて、あ、あの方から初めてご連絡いただけたなという気持ちですね
買主:ラッコ坂谷
元々は海外の方でサジェストの取得ツールがあって、それが同じような思想で作られていたんですけども、ただ出力がとてつもなく遅かったんです。
何十秒もかかるっていうような形だったので、いやこれはもっと早くできるだろうと思って自分で作って公開したんです。
その後、goodkeywordの存在を知りました。
何かうちよりもちゃんとデザイン作っていて、モダンな感じですごいなって思って意識していました。
ラッコM&A
売主:佐藤さん
買主:ラッコ坂谷
当時出したときに、Twitter上で少しつぶやいただけで、もうそれっきりで・・・。
8年前当時アフィリエイターさんでTwitterをやっていた方であれば、ラッコさんがやっているものっていうのを覚えているかもしれないんですけど、そこ以外だと運営者を知るすべはなかったと思います。
ラッコがなぜgoodkeyword購入を検討したのか?
ラッコM&A
買主:ラッコ坂谷
年々使っていく人が増えていってたっていう状況がありました。
今回、ラッコWEBサービスの事業展開をしていく中で、関連キーワード取得ツールもリニューアルして、ラッコWEBサービスの中で発展させていこうという考えがありました。
2020年の7月10日にリニューアルして関連キーワード取得ツールがようやくベータ版を抜け出してラッコキーワードに進化したっていうような形だったんですね。
そこから1ヶ月くらい経って、さらにラッコキーワードのユーザーを拡大していこうと考えていました。
同じように昔からサービス展開をされてきたgoodkeywordさんを吸収することができれば、goodkeywordさんを使ってくれてるユーザーさんも我々のお客さんとして取り込むことができるだろうという構想が出てきました。
それで今回の購入提案をさせていただきました。
ラッコM&A
買主:ラッコ坂谷
あと、数千以上のサイトで紹介されていたので、そういったサイトからの直接的なアクセスがあることも魅力的でした。
ちなみに、収益性については期待していませんでした。同じようなツールを運営していたのでわかるのですが、Googleアドセンスとかの広告を貼っても、この手のツールはいくらアクセスがあっても儲かりません。
IT系のリテラシーが高い人が多いサイトは、Googleアドセンスをいくら貼っても、なかなかクリックしてもらえないっていう性質があるので。
goodkeywordが生まれたきっかけと売却を考えるまで
ラッコM&A
売主:佐藤さん
その中でキーワードを調査することはすごく重要なことなんですけど、Googleキーワードプランナーを使うにも管理画面にログインしないといけなかったり大変でしたし、そういったツール使うのも大変だなと思っていました。
何か自分でプログラムの勉強もしたいと思っていて、そのプログラミングの勉強にも使えるし、自分が欲しいツールだし、まずは作ってみようかなと思って自分用に作りました。
自分用に作った結果これはきっと便利そうだから、あんまり深く考えずに外部公開してしまおうということで、一般公開したというのが始まりになっています。
一般公開して運営してたんですけど、やっていく中で徐々にいろんなメディアさんとか、ウェブサイトを書籍含めご紹介いただける機会ってのが多くなってきて、アクセスが伸びてきました。
大分アクセスが伸びてきて、そうすると、今度はトラフィックの問題が起きてきました。
もともとプログラミングは初心者で、あまりわかってなかったものだったので、スケーラビリティは何も考えずに作ってたんですけど、アクセスが増えてくると、サイト止まっちゃったりとか。
で、その都度こう解決しよう、こう解決しようというのを検索しながら、ちょっとずつちょっとずつ手直しをしていっていました。
一定の規模まで育っていったところで、収支としてはちょっと黒ではあったんですけど、とはいえアクセスさばいたりするのに、ちょっと高めなサーバーを借りたりだとかっていうので、このままにし続けてくのもちょっと苦しいなと思っていました。
とはいえ、それなりにサイト名で検索されてる状態になってましたし、使っていただける方もいたので、変なところに渡したくないなっていう思いは強く、もし良いお相手があればお渡しできるところがあるといいなというのは、実は坂谷さんからお声掛けいただく1~2年前ぐらいからフワッと思ってました。
で、その中で実は他にも、買収までいかないにしても、定期で純広告で載せて、みたいな、結構大きめの話もいくつかあったりしたんですけど、お断りしていました。
その状況の中で坂谷さんからお声がけいただいて、これは最高のところにお声掛けいただけたなと、まず最初のメッセージを見て思いました。
なのですぐご返答を差し上げたという状況でした。
買主:ラッコ坂谷
ラッコM&A
売主:佐藤さん
ただ、本気なのかどうかがよくわからなくて。
なのでコミュニケーションしてみないとなと思ってコミュニケーションを進めてみたら、坂谷さんの反応もすごく早くて、ご丁寧に誠実にご連絡いただけて。
きっと本気だし、想像していた中の理想的な相手なんじゃないかなとやりとりをする中で思っていて、もうスムーズにトントンと進んでいったというような感じになってます。
売ってくれるかも?価格提示で気を付けたこと
買主:ラッコ坂谷
あれ、このマルチサジェスト表示されないぞとか、説明文のところにYahooサジェストって書いてあるような気がするけど、機能として存在していないなぁとか。
メンテナンス不足状態になっていたので、これってもしかして売っていただくことできるかもしれないなってのはぼんやり感じていたんですよね。
収益はあんまり出てないだろうなっていうところは想像通りで、とはいえgoodkeywordさんにはやっぱり長い歴史があります。
これだけ積み重ねてきた歴史があって、ブランド力あって、それに紐付いたドメインの評価(SEO的な)があって、もちろんそれに伴ったトラフィックもあるという、収益は出てないんだけどそれ以外の価値がすごく高いレベルで維持されている状態だったんです。
あとはやっぱり佐藤さん個人で開発されて運営されてきてるっていうところで思い入れも強いだろうなっていうところは思っていたんですよ。
なので一般的なサイト売買であれば、収益の2年分くらいでしょっていうな話になると思うんですけども、それでは失礼だろうなとも思いましたし、そこは十分に価値を反映した値段を提示する。
仮に自分が言われたときに、これなら今までの成果として納得できるかなっていうようなラインを意識して値段の提示させてもらいました。
サイト売買成立から移管まで
ラッコM&A
売主:佐藤さん
正直、サイトをしっかりとどなたかに譲渡しようとすることが初めての経験でした。
どういった形になるかなとか契約書もしっかり巻いた方がいいのかなっていうのもちょっとブラックボックスだったんですけれども、その契約書のフォーマットもあのラッコさんの方からいただきました。
その内容もちょっと驚きだったのが、サイト上に残ったリンクで収益がもし仮に僕の方に入ってきたとしても、それは無視するみたいなことが書いてあって。
実は過去にサイトを買った経験はあるんですね。
で、その買ったときにはやっぱりそのサイト内に旧アフィリエイトリンクとか、旧Googleアドセンスとかが残っていて、収益が発生してもしその旧運営者に入ったら、その収益は本来買主の方に入るはずだから、やっぱり清算しましょうねっていうようなやりとりしてたんです。
でも、今回はそういうのもなしに、もし残ってたらもう買主側の責任ですという契約書になっていって、そこはもう関知しませんみたいなっていうのが売り手側にすごく思いやりがある契約書だなあと思いました。
全部のリンクやっぱり差し替えるのもまた大変で、やってると残っちゃったり一部しちゃったりするんですけど、それが思いやりがある契約書だなぁっていうのがありました。
買主:ラッコ坂谷
やっぱり買主さんの方が、怠慢って言ったらあれなんですけど、さぼっちゃってリンクの貼り替えをなかなかしてくれないようなことがあります。
それで売買完了から何ヶ月も経ってるのに、いつまでも売り上げの清算をし続けなきゃいけないみたいなっていうのは売主にとってすごく負担ですし、手離れさせたくて売ったはずなのに、全然手離れしないですよね。気持ち的にも。
それはサイト売買の体験としてはとても良くないことだと思うので、我々のやり方としてはもうそこは買主さんの責任としています。そうすれば買主さんも早く切り替えてくれるので。
また、そもそも今回のお取引がそういった広告収益を目的としていないっていうところがあるので、合意が早く済むようにという意図もありました。
goodkeyword購入後のラッコキーワードへの活用
ラッコM&A
買主:ラッコ坂谷
思い入れの強いサイトほどそういったところをすごく重視されると思うので、最初から誤解のないようにというか、嘘のないように説明をさせていただきました。
第一段階ではうちのサイトに対する集客用のサテライトとして使う。
第二段階でgoodkeywordの機能をラッコキーワードに吸収し終わったら、ラッコキーワードに統合(301リダイレクト)をすると言う計画でした。
goodkeywordのユーザーさんにがっかりされないよう、ちゃんと機能を引き継いでから統合すると言うところは気を使いました。
実際にご購入をさせていただいた2~3ヶ月後ぐらいですかね、goodkeyword終了しますっていうアナウンスをさせていただいて、リダイレクトをかけました。
その後は、goodkeywordとGoogleで検索すると、ラッコキーワードが1位を取ったりとか、ちゃんとその指名検索のトラフィックも取り込めています。
Googleから妥当性のあるリダイレクトとして認識されてほっとしています。
あと、直近の7日間のgoodkeyword.netに対するアクセスログを確認したんですけど、BOTを除いて1日あたり1000人くらいはまだgoodkeyword.netにアクセスがあります。
goodkeyword.net経由のお客さんがうちに対してアクセスしてくれてるっていう状況が、移行から1年近く経過しても継続的に発生しているので、この効果はすごく大きいと思っています。
将来サイト売却する方へのメッセージ
ラッコM&A
売主:佐藤さん
おそらくその方が持ってらっしゃるサイトも探すと最高の相手って世の中にいるはずで、その方にまだ出会えてないだけなんじゃないかなあと思います。
自分で自信を持って作ってるサイトであれば、その最高の相手はいるはずなので、その相手に出会える場所として、ラッコさんのプラットフォームはすごくいいものなんじゃないかなと思っています。
ラッコが聞いてみたかったこと
買主:ラッコ坂谷
売主:佐藤さん
その金額を下回ってたとしてもいい相手だったらお渡しすると思いますし、よくない相手であればその金額を上回ってたとしてもお渡ししたくないなと思っていたんですけど、目安として考えた金額がありました。
で、その金額を少し超えた金額でいただけたっていうところがあったのと、あとそのコミュニケーションの中でも、最高の相手だなと思っていたので、相手としても、金額としても、私としては嬉しいものになったと思っています。
買主:ラッコ坂谷
インタビューを終えて
今回、売主・買主へ同時にインタビューを行いました。
売主・買主それぞれの目的やサイト運営の経緯など、WEBサービス運営者がどう考えているか?何を重視しているか?と普段あまり聞けない貴重なお話でした。
サイト売買では同じ経緯・状況の案件は、ほぼないと言っても過言ではありません。
だからこそ、今回のgoodkeywordさんのように、買主・売主が双方の希望を尊重した上で売買交渉し、誠実に進めていくことが重要だと改めて感じました。
「自分で自信を持って作ってるサイトであれば、その最高の相手はいるはず」
最後に佐藤さんからいただいたお言葉は、我々にもとても響くものでした。
ラッコM&Aが最高の相手を見つける場を提供するため日々改善を続けていきたいと思います。