WordPress引越し:SSLのダウンタイムを起こさずにサーバー移行する方法(Xserver/wpX Speed)

SSL化されたサイト(URLが「https://~」で始まる)のサーバー移転を行う場合、サーバーの切り替えに伴いSSLが無効になる時間(数分~数時間程度)が発生します。

この記事では下記に当てはまる方向けに、SSLのダウンタイム(一時無効化)無しでサーバー移行を行う方法について解説します。

こんな方に向けた記事です

  • SSL化(https化)されたサイト(WordPress等)のサーバー移転を行う
  • 移転先のサーバーはXserver/wpX Speedのいずれかである
  • 移転先レンタルサーバー提供の無料SSLを利用する
  • SSL化の状態を維持したまま移行したい(移行に伴い、一時的にSSLが無効になるのを避けたい)

SSLが一時的に無効になるとどうなる?
SSLが無効の間は、「https://~」のURLでのサイトアクセスが出来なくなります(アクセスするとブラウザによっては警告画面が表示される)。「http://~」のURLでアクセスすれば表示は可能です。
注意
こちらは初めてサーバー移転を行う方にはやや高度・複雑な作業です。数分~数時間程度であったとしてもどうしてもSSLの無効化を避けたいという場合に限り、実施されることをおすすめします。

SSL有効状態を保ったままサーバー移行する方法

XserverまたはwpX Speedの場合、移行先のサーバーに事前にXserver(wpX Speed)提供の無料独自SSLを設定しておくことができます。

1. 事前SSL設定のための必要情報を揃える

設定には、「外部サーバーでのWeb認証」と「外部ネームサーバーでのDNS設定」2通りの方法があります。お好きな方法を選び、各手順の1~3までを行います。

設定方法のマニュアル(手順3まで実施する)

注意
マニュアルの手順3まで進んだら、次の作業が完了するまでXserverの設定画面を閉じたり、別のページに遷移しないようにしてください。

2. ドメインの所有者証明(認証)の準備を行う

「1. 仮のSSL証明書作成のための準備」で確認した以下の2点を使って、作業を進めていきます。

  • 設置URL
  • トークンファイル

無料独自SSL設定(外部サーバーでWeb認証する場合)のマニュアル手順4の方法を具体的に説明します。

STEP.1
トークンファイルを移行元サーバーにアップロード

各レンタルサーバーのファイルマネージャー機能やFTPを利用して、移行元のサーバー上にトークンファイルをアップロードします。

注意
ファイルのアップロード先は移行元のサーバーです。移行先のサーバーではないのでご注意ください!

指定された設置URLにアクセスした際にトークンファイルが表示されるように、ファイルをアップロードします。

設置URLがhttps://ドメイン名/.well-known/acme-challenge/文字列...の場合、基本的にWordPressの設置ディレクトリ(public_html/ドメイン名など)/.well-known/acme-challengeの中にファイルをアップロードします。

画像の例では、ファイルのアップロード先は「/public_html/ドメイン名(WordPressの設置ディレクトリ)/.well-known/acme-challenge」となります。

注意
  • お使いのサーバーによってディレクトリ構造は異なります。WordPressの設置ディレクトリが/ドメイン名/public_html/配下だったり、public_html以外のフォルダ名称(wwwなど)である場合があります。
  • お使いのファイルマネージャーによって、「.well-known」のように先頭に.(ドット)がついたファイルが非表示の設定になっている場合があります。
  • 「.well-known」や「acme-challenge」フォルダがあらかじめ存在しない場合は、自分で同じ名前のフォルダを作成する必要があります。

STEP.2
設置URLへアクセスしてファイルが表示されるか確認する

ブラウザから設置URLにアクセスし、上記のようにトークンファイルの中身が表示されるか、アクセスした際にファイルがダウンロードされれば正しく設置できています。

表示されない場合は、ファイルの設置場所が間違っていないか、ファイル名がテキスト形式(.txt)になっていないかなどを確認してください。

設置URLにファイルが正しく反映されていることを確認したら、次の手順へ進みましょう。

移行元のレンタルサーバーの管理画面で、指定されたDNSレコードを追加します。

MEMO
一般的に、DNSレコードの追加はレンタルサーバーの管理画面から行います(レンタルサーバー提供のDNSを使っているケースがほとんどであるため)。 Webサーバーとは別で独自に選んだDNSサーバーを使っている場合は、そちらの設定画面にてDNSレコードを追加してください。

STEP.1
移行元のサーバーでDNSレコードの追加設定を行う

ここでは、移行元サーバーがラッコサーバーである場合の画面を例に説明します。 ※その他のレンタルサーバーにおけるDNSレコード追加方法は、レンタルサーバー提供のマニュアルをご参照ください。

対象サーバー契約をクリックし、「DNS設定」を選択>ドメイン一覧から対象ドメインを選択します。

STEP.2
DNSレコードの追加

「新しいレコードを追加」から、各欄にタイプ、ホスト名、Value(内容)を入力し、「追加」をクリック

入力内容

  • ホスト名:(例: _acme-challenge.sample.jp)
  • 種別:TXT
  • 内容:(例: hfkcUi61B8kIIGVvF0l3UimKOmrLeLVszm05xKzylSw)

入力内容を確認して、「DNSレコード変更」をクリックすると追加が完了します。

STEP.3
DNSレコードが反映されているか確認
次に、レコードが反映されているかを確認する方法を紹介します。(反映には数時間~1日程度かかることもあります。)

Googleが提供するDNSレコード検索ツール『Dig(DNS ルックアップ)』にアクセスし、入力フォームにレコード追加したホスト名を入力>「TXT」ボタンをクリックします。

ページ下部の検索結果に、設定したレコード内容が表示されていればDNSレコードが反映されていることを確認できます。

DNSレコードが反映されているのを確認したら、次の手順に進みましょう。

3. ドメイン所有者証明(認証)を完了し、事前SSLを設定する

移行元サーバーでの作業(ファイルアップロードまたはDNSレコード設定)を終えたことを確認出来たら、Xserverマニュアルのそれぞれの方法の手順5以降へ進みます。

『独自SSL設定を追加しました。』の画面まで進めばSSLの事前設定は完了です。 以後、サーバー切り替え後もここで設定したSSL証明書を使い続けることができます。

SSLインストールが完了した後は?
サイトデータの移行がまだの場合は、移行作業を進めてください。既にSSL証明書が有効になっているので、最終的にネームサーバーの切り替えを実施してもSSLが一時無効化されることはありません。