成約動向まとめ(2026年上半期)

2026年上半期(1〜6月)の成約動向を、種別・成約額・成約までの期間・成約トレンドの4つの観点で振り返ります。

売却をご検討中の方には案件の特徴や価値を効果的に伝える際の参考情報として、購入をご検討中の方には条件に合う案件探しや購入判断の指標としてご活用いただけます。
将来の売却に備えてサイト・アカウントを育てている方にも役立つ内容です。

※本記事の数値は、2026年1〜6月に検収完了した案件を対象に集計しています。金額はすべて実際の成約額(取引額)です

01 種別:YouTubeが約半数、Instagramの成約額が上昇

成約案件の種別構成は、YouTubeが約半数を占める状態が半年を通して続きました。月ごとの構成比は次のとおりです。

種別ごとの成約構成比(%)│2026年1〜6月

Instagramの成約額が前年同期比30%上昇

種別ごとの成約額の中央値を前年同期と比較すると、Instagramは30.0%上昇しました。

成約額(中央値)の増減│2025年上半期と2026年上半期の比較
種別/副種別 成約額(中央値)の増減
Instagram +30.0%
WEBメディア −25.0%
Amazonセラー −28.6%
YouTube −29.8%

Instagramの成約額上位7件はいずれも、複数アカウントをまとめて譲渡するもしくは収益導線を含めて譲渡する案件でした。
上半期の成約トレンドとも齟齬がない結果です(→ 04)。

一方、YouTubeとWEBメディアは成約額の中央値が下がりました。成約件数では大きな割合を占める一方、チャンネルやサイト単体の譲渡では、成約額が伸びにくくなっている可能性があります。

02 成約額:約半数が希望売却価格以上で成約している

希望売却価格(売主が設定した掲載価格)またはそれ以上の金額で成約した案件の割合は、上半期全体で48.8%でした。月ごとの実績を見ても、おおむね46〜51%の範囲で推移しています。
※希望売却価格は、売却先決定時の掲載価格を基準としています

希望売却価格以上で成約した案件の割合と、希望価格に対する成約額の比率(月別)
希望売却価格以上で成約した案件の割合 希望価格に対する成約額の比率(月平均)
1月 50.5% 89.9%
2月 47.3% 91.5%
3月 48.4% 87.3%
4月 50.5% 87.8%
5月 46.3% 83.9%
6月 48.8% 90.3%

注目したいのは、価格帯によって、希望売却価格以上で成約した案件の割合に差があることです。

希望売却価格以上で成約した案件の割合・希望価格に対する成約額の比率・公開から売却先決定までの日数の中央値(価格帯別)
価格帯 希望売却価格以上で成約した案件の割合 希望価格に対する成約額の比率(平均) 売却先決定までの日数
5万円未満 67.6% 92.6% 35日
5〜10万円 51.3% 87.1% 19日
10〜30万円 54.4% 87.3% 20日
30〜50万円 43.3% 91.3% 16日
50〜100万円 37.3% 86.8% 22日
100〜300万円 40.3% 87.3% 15日
300万円以上 40.0% 93.7% 50日

この結果から、以下のような傾向がわかります。

  • 低価格帯では、希望売却価格以上で決まる割合が高い
    5万円未満は3件に2件が希望価格またはそれを上回る価格で成約しています。
  • 50万円以上では、希望売却価格以上で成約する割合が下がる
    ただし、平均すると希望価格の9割前後で着地しており、大幅に価格を下げて売却されているわけではありません。
  • 価格帯:100〜300万円が最もスピーディーに成約
    同価格帯の成約までの日数の中央値は15日で、「価格が高いほど時間をかけて検討される」わけではないことがわかります。

03 公開から成約までの日数:条件にマッチすれば数日で成約

成約案件のうち19%が、公開から3日以内に成約(売却先が決定)しています。
さらに1週間以内に成約する割合は28.7%、30日以内では61.5%に達します。

公開から売却先が決まるまでの日数(2026年上半期)

条件にマッチする案件の公開を見逃してしまうと、気づいた時点ではすでに交渉受付が終わっていたり、他の買主への売却が決まっていたりする場合がある点に注意が必要です。

Amazonセラーは約8割が30日以内

Amazonセラーアカウントは、他の主な種別と比べて、早期に売却先が決まる傾向が見られました。

種別ごとの、公開から売却先が決まるまでの日数(2026年上半期)
種別 日数の中央値 30日以内に決まった割合
Amazonセラー 14日 78.8%
Instagram 18日 62.2%
YouTube 18日 63.7%
WEBメディア 31日 49.5%
ECサイト 73日 40.0%

アカウントの健全性や出品制限の解除状況など、買主が判断するための基準が比較的明確であることも一因と考えられます。

04 成約トレンド:仕組み化・収益/集客導線の多角化・数値による裏付け

2026年上半期に成約した案件の特徴を調査したところ、「運営体制の仕組み化」、「収益・集客導線の多角化」、「数値による裏付け」という傾向が見られました。(詳細は、成約案件トレンドでご確認ください)

今回は、成約案件トレンドに関連するキーワードが案件情報に登場する割合を、2025年上半期と2026年上半期で比較しました。
売主が案件登録時に設定した項目とあわせて、2026年上半期の成約傾向を掘り下げます。

1. AI・ツールによる運営効率化

AI・自動化ツールの活用に触れた案件の割合は14.0ポイント、マニュアルやプロンプトに触れた案件の割合は9.4ポイント増えました。
外注への言及は横ばいであることから、主にツール活用と手順の仕組み化で運営を効率化する方向にあると言えそうです。

案件情報の説明文に記載があった案件の割合(%)/仕組み化に関する記載
説明文の記載 2025年上半期 2026年上半期
AI・自動化ツールの活用 31.8 45.8 +14.0pt
マニュアル・プロンプト・テンプレートの譲渡 24.9 34.3 +9.4pt
外注への言及 39.9 39.8 ±0

※「外注への言及」は、説明文に外注に関する記述があるかどうかで判定しています。実際に外注先を引き継げる案件の割合とは異なります

さらに、使用しているツール名を具体的に挙げる案件の割合が10.6ポイント増え、AIやツールによる自動化に触れた案件(45.8%)のうち半数を超えました。

説明文に記載があった案件の割合(%)
記載内容 2025年上半期 2026年上半期
具体的なツール名を挙げている 14.0 24.6 +10.6pt
 うち、2つ以上のツール名を挙げている 3.9 9.9 +6.0pt
 うち、ツールの用途まで記載している 9.8 17.8 +8.0pt
ツール名を挙げず「AI」「自動化」のみ記載 17.8 21.2 +3.4pt

※集計対象のツール:ChatGPT/Claude/Gemini/Vrew/YMM4(ゆっくりムービーメーカー)/VOICEVOX・VoicePeak/Canva/画像生成AI(Midjourney、Stable Diffusion など)/音楽生成AI(Suno、Udio など)

以上の結果から、AIやツールの活用については、単に利用の有無を示すだけでなく、使用するツールとその役割まで具体的に記載する傾向が強まっていることがわかります。

2. 成果を再現する仕組み

「属人性なし」と登録された案件の割合は、66.3%から66.0%と、ほぼ横ばいでした。属人性が低いことを示す案件はすでに多く、それだけでは違いを打ち出しにくくなっていると考えられます。

案件登録時に「属人性なし」と設定された案件の割合(%)
案件情報の登録項目 2025年上半期 2026年上半期
属人性「なし」 66.3 66.0 −0.3pt

差がつくのは、「引き継いだ人が同じ結果を出せる仕組みがあるか」と「その方法を具体的に示せるか」です。

実際に、2026年上半期の成約案件では、「収益の再現性がある」としている案件が、全体の7割以上を占めました。
※案件情報の「収益の再現性」の項目で、「高い再現性がある」を選択した案件が44.7%、「一部条件付きで再現可能」を選択した案件が28.7%

3. 集客導線の明示・数値による裏付けと差別化

顧客基盤や集客導線・読者・視聴者の数や属性を具体的に示せると、買主が譲渡後の活用をイメージしやすくなります。
2026年上半期の成約案件のうち、公式LINE・メルマガ・顧客リストに言及した案件は5.3%、読者・視聴者の属性を数字で示した案件は15.8%と、前年同期比では増加しているものの、全体でみるとまだ少数派です。

案件情報の説明文に記載があった案件の割合(%)/集客導線・数値に関する記載
説明文の記載 2025年上半期 2026年上半期
公式LINE・メルマガ・顧客リスト 2.5 5.3 +2.8pt
読者・視聴者の属性 13.7 15.8 +2.1pt

※2025年1〜6月、2026年1〜6月に成約した案件の公開情報(説明文・登録項目)を対象に集計・比較

いずれも、売上や利益の背景にある、顧客との接点や集客の仕組みを伝える情報です。具体的に記載できると、他の案件との差別化にもつながります。

上半期の成約傾向から読み取れるヒント

売主の方へ

  • 譲渡対象を明確にする
    マニュアル・AIプロンプト・外注先・公式LINEのリスト・商品在庫など、案件情報に引継ぎ対象をなるべく具体的に記載します。買主が譲渡後の運営をシミュレーションしやすくなり(→ 04)、ミスマッチや交渉チャットの往復を減らすことにもつながります。
  • 読者・視聴者の属性を数字で載せる
    年齢構成、男女比、広告単価など、「誰に・どの程度届いているか」が明確に示せていると、買主が自身との相性を判断しやすくなります(→ 04)。
  • 売り先をじっくり見極める
    公開後90日を超えてから決まる案件も12.1%あります(→ 03)。今回詳細なデータは開示していませんが、成約までの期間が長くても、希望売却価格以上で売却されている案件は少なくありません。「値下げ通知」「広告配信」「メール一括送信」などの機能をうまく活用しつつ、納得できる売り先を見つけてください。

買主の方へ

  • 公開直後にアプローチする
    価格帯を問わず、数日で成約する案件もあります(→ 03)。条件にマッチした案件の公開をすぐにキャッチし、早い段階で交渉へ進めるよう、通知設定を行っておきましょう。
  • 案件の探し方を工夫する
    ラッコM&Aのデフォルトの表示では、新しい案件がページの最初に表示されるようになっています。一方で、公開から数か月が経過した案件の中に、希望の条件を満たす案件が隠れている場合もあります。絞り込み検索やAI検索を活用して、じっくりと案件探しを行っていただくことをおすすめします。
  • 譲渡対象物を確認する
    外注先・マニュアル・プロンプト・顧客リストが譲渡されるかどうかは、譲渡後の運営や収益の再現性に大きく関わります。案件情報に記載がない場合は、交渉の中で確認しておきましょう。

売却予定サイトやアカウントを運営中の方へ

  • 属人性を抑える
    顔出し・声出しをやめ、個人のスキルに依存しない運営へ徐々に移行していきましょう。属人性が高いと判断される場合、ラッコM&Aでのお取り扱い自体ができない可能性があります。
  • 作業手順をマニュアル化する
    企画・制作・投稿の手順やAIプロンプトを整理し、マニュアル化しておくことは、売却準備のみならず、日々の運営効率化にも役立ちます。
  • 集客手段と収益導線を複数確保する
    SNS・公式LINE・メルマガなど、複数の集客手段・収益導線を持つことは、事業の安定性や成長余地を伝える材料になります(→ 01)。SNS・検索サービスのアルゴリズム、ポリシー変更への備えにもなります。
  • 集客状況を正確に把握する
    実績を具体的な数値で示せると、信頼性や説得力が上がります(→ 04)。読者・視聴者の属性が数字で説明できる状態を目指しましょう。計測ツールを利用していない場合は、早めの導入を検討しましょう。

下半期のトレンドは、引き続き毎月の成約案件トレンドでお伝えします。

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