WEBサービス売買事例:ラッコキーワード×goodkeywordインタビュー

今回はラッコM&Aでの事例紹介ではなく、当社、ラッコ株式会社がWEBサービスを購入した事例をご紹介します。

ラッコ株式会社では自社サービスに親和性のあるWEBサイトやWEBサービスに直接、購入のお声掛けをすることがあります。

そのような中、2020年8月にgoodkeywordと言う無料のキーワードリサーチツールを購入いたしました。

今回はその当時の状況について、売主・買主の両方にインタビューをしたお話を紹介いたします。

当社が買主として何を考えて購入を決断したのか、売主が考えていた売る際の条件とは?

サイト売買を進める中で、重要と感じたポイントを双方からエピソードを交えてお話しいただきました。

個人でWEBサービスを開発・運営されている方にも必見の内容です。

goodkeywordの売買交渉から譲渡までの時系列まとめ

買主→売主
2020年08月12日12時08分
TwitterDMにてラッコ株式会社(買主)より売却意向のお伺い
売主→買主
同13時06分
佐藤様(売主)より交渉承諾のご返信、連絡をChatworkに移行
売主&買主
同16時13分
NDA締結完了(クラウドサイン)
売主→買主
2020年08月17日08時12分
佐藤様よりGA/SC閲覧権限付与・案件情報の受け取り
買主→売主
同10時58分
ラッコ株式会社より買収後の用途のご説明、買収金額のご提案
買主
同11時24分
買収快諾
売主&買主
2020年08月18日19時04分
事業譲渡契約書締結完了(クラウドサイン)
同 移行作業開始(ドメイン移管、サーバー契約移行、Facebookページ移行、GA/SC権限移行)
売主&買主
2020年08月25日
全ての移行作業が完了
買主→売主
2020年08月26日
譲渡対価のお支払い
買主
2020年08月28日
売主&買主
2020年09月01日
会食・初顔合わせ

きっかけはTwitterのDMから

はじめまして、ラッコ株式会社の山中です。本日はよろしくお願い致します。まずはお二人の自己紹介からお願いいたします。

ラッコ山中

売主:佐藤さん

株式会社もしもという会社で取締役をしているんですけども、今回のgoodkeywordというサイトは会社関係なく完全に個人で運営していたものとなっております。
個人としてインタビューを受けさせていただきました。

買主:ラッコ坂谷

ラッコ株式会社の坂谷です。
 
私は代表取締役という立場で、経営、事業の企画、プロダクト開発におけるクオリティを担保する役割を担っています。
 
当社はラッコWEBサービスという括りでサイト売買、キーワードリサーチツール、中古ドメインの販売などの様々なWEBサービスの展開をしております。
お二人が知り合ったきっかけというのはどういったことだったのでしょうか?

ラッコ山中

買主:ラッコ坂谷

TwitterのDMで「goodkeywordを購入させていただきたい」とご連絡させていただいたのが最初ですね。
 
それまで接点はありませんでした。
佐藤さんはその時メッセージを受け取られたときどういった印象を持ちましたか?

ラッコ山中

売主:佐藤さん

そうですね。もともとラッコキーワードさんって、関連キーワード取得ツールっていう形でやられてたと思うんですけど、当時、私がgoodkeywordを作ったのは2012年だったと思います。
 
その当時から存在はずっと存じ上げていまして、すごい使いやすいツールを提供されていらっしゃる方がいるんだなあとずっと思っていました。
 
その中で、ご連絡いただいて、あ、あの方から初めてご連絡いただけたなという気持ちですね

買主:ラッコ坂谷

8年越しですね(笑)
 
元々は海外の方でサジェストの取得ツールがあって、それが同じような思想で作られていたんですけども、ただ出力がとてつもなく遅かったんです。
 
何十秒もかかるっていうような形だったので、いやこれはもっと早くできるだろうと思って自分で作って公開したんです。
 
その後、goodkeywordの存在を知りました。 
何かうちよりもちゃんとデザイン作っていて、モダンな感じですごいなって思って意識していました。
なるほど、サービス同士では存在を意識をされてたっていうことですね。

ラッコ山中

売主:佐藤さん

そうですね、誰かが運営されてるんだなと思いながら(笑)

買主:ラッコ坂谷

うちのサイトは連絡先載せてなかったんですよ。

当時出したときに、Twitter上で少しつぶやいただけで、もうそれっきりで・・・。
 
8年前当時アフィリエイターさんでTwitterをやっていた方であれば、ラッコさんがやっているものっていうのを覚えているかもしれないんですけど、そこ以外だと運営者を知るすべはなかったと思います。

ラッコがなぜgoodkeyword購入を検討したのか?

goodkeywordを購入しようと思った経緯はどういったものだったのでしょうか?

ラッコ山中

買主:ラッコ坂谷

関連キーワードツール(現:ラッコキーワード)を作って公開したのが2012年の6月12日なんですけども、そこからほぼほったらかしていたのですが、勝手に成長していたんですよね。
 
年々使っていく人が増えていってたっていう状況がありました。
 
今回、ラッコWEBサービスの事業展開をしていく中で、関連キーワード取得ツールもリニューアルして、ラッコWEBサービスの中で発展させていこうという考えがありました。
 
2020年の7月10日にリニューアルして関連キーワード取得ツールがようやくベータ版を抜け出してラッコキーワードに進化したっていうような形だったんですね。
 
そこから1ヶ月くらい経って、さらにラッコキーワードのユーザーを拡大していこうと考えていました。
 
同じように昔からサービス展開をされてきたgoodkeywordさんを吸収することができれば、goodkeywordさんを使ってくれてるユーザーさんも我々のお客さんとして取り込むことができるだろうという構想が出てきました。
 
それで今回の購入提案をさせていただきました。
購入にあたり重視した点、決め手などを教えてください。

ラッコ山中

買主:ラッコ坂谷

重視していた価値はgoodkeywordさんを長くご利用されているユーザーさんがいることや、「goodkeyword」っていうキーワードで検索エンジンで指名検索をしてくれるユーザーさんが多くいるっていうブランド力の部分です。
 
あと、数千以上のサイトで紹介されていたので、そういったサイトからの直接的なアクセスがあることも魅力的でした。
 
ちなみに、収益性については期待していませんでした。同じようなツールを運営していたのでわかるのですが、Googleアドセンスとかの広告を貼っても、この手のツールはいくらアクセスがあっても儲かりません。
 
IT系のリテラシーが高い人が多いサイトは、Googleアドセンスをいくら貼っても、なかなかクリックしてもらえないっていう性質があるので。

goodkeywordが生まれたきっかけと売却を考えるまで

買主の坂谷さんからの話を受けて、佐藤さんが売主として重視した点や決め手を教えてください。

ラッコ山中

売主:佐藤さん

このgoodkeywordっていうサイトを作った背景からも少しご説明すると、元々自分で別メディア運営もしていました。
 
その中でキーワードを調査することはすごく重要なことなんですけど、Googleキーワードプランナーを使うにも管理画面にログインしないといけなかったり大変でしたし、そういったツール使うのも大変だなと思っていました。
 
何か自分でプログラムの勉強もしたいと思っていて、そのプログラミングの勉強にも使えるし、自分が欲しいツールだし、まずは作ってみようかなと思って自分用に作りました。
 
自分用に作った結果これはきっと便利そうだから、あんまり深く考えずに外部公開してしまおうということで、一般公開したというのが始まりになっています。
 
一般公開して運営してたんですけど、やっていく中で徐々にいろんなメディアさんとか、ウェブサイトを書籍含めご紹介いただける機会ってのが多くなってきて、アクセスが伸びてきました。
 
大分アクセスが伸びてきて、そうすると、今度はトラフィックの問題が起きてきました。
 
もともとプログラミングは初心者で、あまりわかってなかったものだったので、スケーラビリティは何も考えずに作ってたんですけど、アクセスが増えてくると、サイト止まっちゃったりとか。
 
で、その都度こう解決しよう、こう解決しようというのを検索しながら、ちょっとずつちょっとずつ手直しをしていっていました。
 
一定の規模まで育っていったところで、収支としてはちょっと黒ではあったんですけど、とはいえアクセスさばいたりするのに、ちょっと高めなサーバーを借りたりだとかっていうので、このままにし続けてくのもちょっと苦しいなと思っていました。
 
とはいえ、それなりにサイト名で検索されてる状態になってましたし、使っていただける方もいたので、変なところに渡したくないなっていう思いは強く、もし良いお相手があればお渡しできるところがあるといいなというのは、実は坂谷さんからお声掛けいただく1~2年前ぐらいからフワッと思ってました。
 
で、その中で実は他にも、買収までいかないにしても、定期で純広告で載せて、みたいな、結構大きめの話もいくつかあったりしたんですけど、お断りしていました。
 
その状況の中で坂谷さんからお声がけいただいて、これは最高のところにお声掛けいただけたなと、まず最初のメッセージを見て思いました。
 
なのですぐご返答を差し上げたという状況でした。

買主:ラッコ坂谷

ありがとうございます。時系列に細かくまとめてみると、一時間しないうちに返信いただいてたなって。(笑)
佐藤さんありがとうございます。サービスを大事にしてくれる方へと思いをお持ちの中で売却の決め手というものは他にもあったのでしょうか?

ラッコ山中

売主:佐藤さん

もう最初のご連絡いただいた時点で、いい相手にお声がけいただけたなと思いました。
 
ただ、本気なのかどうかがよくわからなくて。
 
なのでコミュニケーションしてみないとなと思ってコミュニケーションを進めてみたら、坂谷さんの反応もすごく早くて、ご丁寧に誠実にご連絡いただけて。
 
きっと本気だし、想像していた中の理想的な相手なんじゃないかなとやりとりをする中で思っていて、もうスムーズにトントンと進んでいったというような感じになってます。

売ってくれるかも?価格提示で気を付けたこと

買主:ラッコ坂谷

時々ふらっとgoodkeywordさんを眺めていた中で、メンテナンスが行き届いてないかなっていうのは感じてました。
 
あれ、このマルチサジェスト表示されないぞとか、説明文のところにYahooサジェストって書いてあるような気がするけど、機能として存在していないなぁとか。
 
メンテナンス不足状態になっていたので、これってもしかして売っていただくことできるかもしれないなってのはぼんやり感じていたんですよね。
 
収益はあんまり出てないだろうなっていうところは想像通りで、とはいえgoodkeywordさんにはやっぱり長い歴史があります。
 
これだけ積み重ねてきた歴史があって、ブランド力あって、それに紐付いたドメインの評価(SEO的な)があって、もちろんそれに伴ったトラフィックもあるという、収益は出てないんだけどそれ以外の価値がすごく高いレベルで維持されている状態だったんです。
 
あとはやっぱり佐藤さん個人で開発されて運営されてきてるっていうところで思い入れも強いだろうなっていうところは思っていたんですよ。
 
なので一般的なサイト売買であれば、収益の2年分くらいでしょっていうな話になると思うんですけども、それでは失礼だろうなとも思いましたし、そこは十分に価値を反映した値段を提示する。
 
仮に自分が言われたときに、これなら今までの成果として納得できるかなっていうようなラインを意識して値段の提示させてもらいました。

サイト売買成立から移管まで

サイト売買成立から移管まではいかがでしたか?

ラッコ山中

売主:佐藤さん

想定よりもスムーズだったなと思っています。
 
正直、サイトをしっかりとどなたかに譲渡しようとすることが初めての経験でした。
 
どういった形になるかなとか契約書もしっかり巻いた方がいいのかなっていうのもちょっとブラックボックスだったんですけれども、その契約書のフォーマットもあのラッコさんの方からいただきました。
 
その内容もちょっと驚きだったのが、サイト上に残ったリンクで収益がもし仮に僕の方に入ってきたとしても、それは無視するみたいなことが書いてあって。
 
実は過去にサイトを買った経験はあるんですね。
 
で、その買ったときにはやっぱりそのサイト内に旧アフィリエイトリンクとか、旧Googleアドセンスとかが残っていて、収益が発生してもしその旧運営者に入ったら、その収益は本来買主の方に入るはずだから、やっぱり清算しましょうねっていうようなやりとりしてたんです。
 
でも、今回はそういうのもなしに、もし残ってたらもう買主側の責任ですという契約書になっていって、そこはもう関知しませんみたいなっていうのが売り手側にすごく思いやりがある契約書だなあと思いました。
 
全部のリンクやっぱり差し替えるのもまた大変で、やってると残っちゃったり一部しちゃったりするんですけど、それが思いやりがある契約書だなぁっていうのがありました。

買主:ラッコ坂谷

あの契約書はラッコM&Aで標準的に使ってる契約書のフォーマットを基にしています。
 
やっぱり買主さんの方が、怠慢って言ったらあれなんですけど、さぼっちゃってリンクの貼り替えをなかなかしてくれないようなことがあります。
 
それで売買完了から何ヶ月も経ってるのに、いつまでも売り上げの清算をし続けなきゃいけないみたいなっていうのは売主にとってすごく負担ですし、手離れさせたくて売ったはずなのに、全然手離れしないですよね。気持ち的にも。
 
それはサイト売買の体験としてはとても良くないことだと思うので、我々のやり方としてはもうそこは買主さんの責任としています。そうすれば買主さんも早く切り替えてくれるので。
 
また、そもそも今回のお取引がそういった広告収益を目的としていないっていうところがあるので、合意が早く済むようにという意図もありました。

goodkeyword購入後のラッコキーワードへの活用

goodkeywordを購入した後、どのように活用されていったのでしょうか?

ラッコ山中

買主:ラッコ坂谷

最終買った後どのように使うっていうところは売主さんとしてすごく気になるところだと思うんですよね。
 
思い入れの強いサイトほどそういったところをすごく重視されると思うので、最初から誤解のないようにというか、嘘のないように説明をさせていただきました。
 
第一段階ではうちのサイトに対する集客用のサテライトとして使う。
 
第二段階でgoodkeywordの機能をラッコキーワードに吸収し終わったら、ラッコキーワードに統合(301リダイレクト)をすると言う計画でした。
 
goodkeywordのユーザーさんにがっかりされないよう、ちゃんと機能を引き継いでから統合すると言うところは気を使いました。
 
実際にご購入をさせていただいた2~3ヶ月後ぐらいですかね、goodkeyword終了しますっていうアナウンスをさせていただいて、リダイレクトをかけました。
 
その後は、goodkeywordとGoogleで検索すると、ラッコキーワードが1位を取ったりとか、ちゃんとその指名検索のトラフィックも取り込めています。
 
Googleから妥当性のあるリダイレクトとして認識されてほっとしています。
 
あと、直近の7日間のgoodkeyword.netに対するアクセスログを確認したんですけど、BOTを除いて1日あたり1000人くらいはまだgoodkeyword.netにアクセスがあります。
 
goodkeyword.net経由のお客さんがうちに対してアクセスしてくれてるっていう状況が、移行から1年近く経過しても継続的に発生しているので、この効果はすごく大きいと思っています。

将来サイト売却する方へのメッセージ

今後、サイト売買をしてみようと思っている方へメッセージをお願いします。

ラッコ山中

売主:佐藤さん

今回、僕のケースだと最高のお相手にお渡しできたなとに思っています。
 
おそらくその方が持ってらっしゃるサイトも探すと最高の相手って世の中にいるはずで、その方にまだ出会えてないだけなんじゃないかなあと思います。
 
自分で自信を持って作ってるサイトであれば、その最高の相手はいるはずなので、その相手に出会える場所として、ラッコさんのプラットフォームはすごくいいものなんじゃないかなと思っています。

ラッコが聞いてみたかったこと

買主:ラッコ坂谷

ちなみにずっとお伺いしたかったんですけど、譲渡対価に関しては、いかがでしたかというか、ご満足いただける金額だったのかなと。

売主:佐藤さん

もともと譲渡のこの話の前の1~2年前ぐらいからちょっと考えてたっていうお話をさせてさせていただいたんですけど、そのときにこのぐらいだったら売ってもいいかなっていう考えた金額がありました。
 
その金額を下回ってたとしてもいい相手だったらお渡しすると思いますし、よくない相手であればその金額を上回ってたとしてもお渡ししたくないなと思っていたんですけど、目安として考えた金額がありました。
 
で、その金額を少し超えた金額でいただけたっていうところがあったのと、あとそのコミュニケーションの中でも、最高の相手だなと思っていたので、相手としても、金額としても、私としては嬉しいものになったと思っています。

買主:ラッコ坂谷

ありがとうございます!安心しました。(笑)

インタビューを終えて

今回、売主・買主へ同時にインタビューを行いました。

売主・買主それぞれの目的やサイト運営の経緯など、WEBサービス運営者がどう考えているか?何を重視しているか?と普段あまり聞けない貴重なお話でした。

サイト売買では同じ経緯・状況の案件は、ほぼないと言っても過言ではありません。

だからこそ、今回のgoodkeywordさんのように、買主・売主が双方の希望を尊重した上で売買交渉し、誠実に進めていくことが重要だと改めて感じました。

「自分で自信を持って作ってるサイトであれば、その最高の相手はいるはず」

最後に佐藤さんからいただいたお言葉は、我々にもとても響くものでした。

ラッコM&Aが最高の相手を見つける場を提供するため日々改善を続けていきたいと思います。