サイト売買の成約率が38%⇒54%に。売却サイト情報にはアクセス数・売上のエビデンスが重要【ラッコM&A】

ラッコ株式会社(東京都渋谷区)が運営するサイト売買プラットフォーム『ラッコM&A』は、Webサイトの売却案件2,448件を対象に、案件情報の各要素における成約率の違いについて調査・分析を行いました。調査の結果、案件情報の信頼性・具体性によって、成約率に大きな差が出ていることが判明しました。

ラッコM&A:https://rakkoma.com/

調査概要

集計対象:ラッコM&Aにおける登録案件のうち、Webサイトを譲渡対象とする2,448件

集計対象期間:2020年1月10日~2022年5月31日

調査項目

サイト売買の売却案件情報における以下の項目

  • Googleアナリティクス連携
  • 売上等エビデンスファイルの添付
  • 案件タイトル(文字数・内容)
  • 案件概要(文字数)
  • アピールポイント

Googleアナリティクス・売上等エビデンス

Googleアナリティクス連携とエビデンスが両方あれば成約率54%超、両方なければ約38%

ラッコM&AではGoogleアナリティクス連携(以下、GA連携と表記)機能を使って自動取得したアクセスデータを案件情報として公開することができます。

また、収益などのエビデンスとなる補足資料を添付することもできます。

GA連携とエビデンスの有無によって成約率に違いが出るかを調査したところ、GA連携とエビデンス資料が両方ある案件の成約率は54.5%、GA連携のみの案件は47.9%、エビデンスのみの案件は47%、両方ない案件は38%という結果となりました。

GA連携・エビデンスの両方を備えた案件が最も成約率が高いことに加え、GA連携またはエビデンスのみの案件と両方ない案件とで比較した場合、10ポイント近くの差が出ることが分かりました。

このことから、Googleアナリティクスデータとエビデンスのいずれかを確認できることによって信頼性・透明性が上がり、購買意欲に繋がっていることが分かります。

逆にGA連携・エビデンス両方がない案件は「どちらのデータも出せないサイト」であるとして、信頼性・透明性が低いと見られてしまう側面もあると考えられます。

GA連携・エビデンス両方ありは掲載案件の約8%、両方なしは約44%

成約率への影響は大きいものの、GA連携・エビデンスが両方ある案件は掲載案件のうち7.8%にとどまっています。

GA連携またはエビデンスのどちらかがある案件も含めると全体の48.2%となり、両方ない案件は44%を占めています。

前述の通り、GA連携・エビデンスの有無によって成約率に約10〜16%もの差が出るため、少なくともGA連携・エビデンス添付のいずれかを行うことを推奨いたします。

GA連携あり・エビデンスありの案件はそれぞれ絞り込み検索が可能なうえ、案件情報に専用のタグが表示されるため、買主の目に付きやすくなります。

案件タイトル

案件タイトルの文字数は30文字以上が推奨。15文字以下は成約数・掲載率ともに低い

案件のタイトル文字数別での成約率を調査したところ、下記のような結果となりました。

  • 案件タイトルが15文字以下:成約率36.4%
  • 案件タイトルが16文字~30文字:成約率40.7%
  • 案件タイトルが31文字~50文字:成約率45.4%
  • 案件タイトルが51文字以上:成約率51.5%

タイトル文字数が多いほど成約率が高く、30文字を超える案件からはより伸び率が大きくなる傾向が見られます。反対に、15文字以下の案件は成約率が3割台とかなり低いことが分かりました。

また、15文字以下の案件は掲載審査通過率61.4%と、約4割が審査落ちにより掲載されていません。その他の案件の審査通過率は82.1%であることを考えると、タイトルが15文字以下の案件は審査通過率が極めて低いと言えます。

成約率および審査通過率を踏まえると、案件タイトルは30文字以上とすることが推奨されます。

50文字を超える案件はサンプル数が少なく判断が難しいところですが、読みやすさを考慮すると長くとも70文字程度までとするのが良いでしょう。

掲載案件の約6割が案件タイトル30文字以上

タイトル文字数ごとの掲載案件比率では、15文字以下が6.1%、16〜30文字が34.2%、31〜50文字が49.4%、51文字以上が10.3%を占めています。

掲載案件のうち、約6割がタイトル文字数30文字以上であることが分かりました。ただし15文字以下の案件は掲載審査を通過しない確率が高いため、審査落ちを含めた登録案件を基準に算出した場合、30文字以上の割合はもう少し下がると考えられます。

案件のタイトルは掲載時にサイトだけでなくメール・Twitterでも配信される情報であるため、多少文字数を多く使ってでも、初回登録時に目を引く内容を盛り込むことが重要です。

タイトルだけで案件の概要・魅力が伝わるように、出来るだけ具体的な要素を含めるようにすると良いでしょう。

タイトルに数字を含む案件は含まない案件よりも成約率が高い

案件タイトルに売上・PV・SNSフォロワー数などの数字を含んでいる案件は、含まないものより約7ポイント成約率が高いことが分かりました(タイトルに数字を含む案件の成約率:47.7%、含まない案件:40.4%)。

掲載案件のうち数字を含む案件の割合は47.3%、含まない案件は52.7%とほぼ半々となっています。

数字が魅力的ではない案件も多くあるため、一概にタイトルに数字を入れるべきとは言えません。条件が似た案件を参考にしつつ、アピールポイントにできる数字があればタイトルに含めても良いでしょう。

案件概要

案件概要の文字数は900文字から成約率が大きく向上

案件概要文の文字数ごとに成約率を調査したところ、100文字単位の検証では900文字を境に成約率が大きく向上することが分かりました。ある程度文字数を丸めた場合(300文字単位)の成約率を見てみると、下記のような結果となります。

  • 概要文の文字数が300文字以下:39.9%
  • 概要文の文字数が301~600文字:45.5%
  • 概要文の文字数が601~900文字:46.6%
  • 概要文の文字数が901~1200文字:56.0%
  • 概要文の文字数が1201~1500文字:53.7%
  • 概要文の文字数が1501~2000文字:62.2%
  • 概要文の文字数が2001文字以上:35.0%

900文字を境に成約率は10ポイント近くの差を付けて上昇しており、1501〜2000文字の場合最も成約率が高く6割を超えることが分かりました。

2001文字以上の場合は成約率が大きく下がることから、概要文はただ長ければよいという訳ではなく、目安として2000文字を超えると蛇足となる恐れがあると考えられます。

案件の概要文ではサイトの現状や譲受後の運営がより具体的にイメージできるように、定量データ(売上・アクセス数など)の月別推移、運営フローや引継ぎ容易性(外注ライターの継続など)をしっかり記述するのが好まれる傾向があります。

目安となる900文字をクリアしているのは12.8%にとどまる

前項の通り、具体的に譲受後の運営がイメージできる案件が好まれる傾向にありますが、成約率が大きく伸びるラインの900文字をクリアしている案件は全体の12.8%にとどまっています。

成約案件の9割は掲載から24時間以内に申込みがあることが調査で分かっています。案件情報の配信が行われる掲載時が最も注目を集めるタイミングであるため、新規登録時に900文字の目安をクリアしておくことが重要です。

参考:サイト売買の初動:交渉申込み発生は掲載後30分以内が62%、24時間以内が94%【ラッコM&A:成約案件分析レポート】

アピールポイントは3つ全て埋めるのがおすすめ

案件のアピールポイント(最大3つ)を3つとも書いている案件は、2つ以下の案件に比べ10ポイント近く成約率が高くなっています(アピールポイントが3つの案件の成約率:46.2%、2つ以下の案件:36.8%)。

また、掲載案件のうち75%がアピールポイント3つを全て埋めているため、2つ以下の場合は他に比べて見劣りしてしまう恐れもあります。アピールポイントも、一番注目度の高い新規登録時に全て埋めておくことが大切です。

参考:交渉申込数増加・成約率向上のためのおすすめ施策